近江牛
Omi Beef

近江牛

日本最古のブランド牛。400年の歴史

日本の三大和牛の一つとして人気を誇る近江牛は、圧倒的な歴史を有しています。
江戸時代、将軍綱吉による生類憐れみの令によって動物の殺生を禁じられていた頃、陣太鼓に使う牛皮を献上していた彦根藩だけは牛の取り扱いが認められていました。そこで皮を取ったあとに残ってしまう肉を利用しようと考えはじめ、中国の薬学本「本草網目」からヒントを得て牛肉の味噌漬けが完成。これを「反本丸(へんぼんがん)」という名の養生薬として、将軍家や徳川御三家への献上品したという記録も残っています。やがて一般にも薬として広まり、街道沿いでも売られるようになりました。(この頃、まだ「近江牛」というブランド名はありませんでしたが、彦根牛として知られており、江戸末期には年間1000〜3000頭の彦根牛を屠畜していました。)

全国的に「近江牛」として名が通ったのは明治時代

それまでは陸路や海運により東京に出荷されていましたが、明治22年に東海道本線が開通し、近江八幡駅からの貨物輸送が始まったことにより、「近江牛」という名が一躍有名になりました。また、近江商人竹中久次氏によって東京・浅草に牛肉問屋が開業されると、その品質の高さと美味しさがたちまち広がり「近江牛肉が美味しい」と一気に高級肉の座についたのです。

琵琶湖エリアの良質な水と肥沃な土地の恩恵

豊かな自然環境と水に恵まれたこのエリアは、多くの山脈からの清流が川となってその終着点となる琵琶湖に流れ込んでいます。水量豊かで、ミネラルのバランス、口当たりの柔らかさといい、最高に良質な水。その清流を飲んで育ち、またその良質な水と湖東平野に広がる肥沃な土壌で育った米の稲わらをたっぷり与えられる近江牛は、食物の消化も良く、健康で元気に育ちます。

近江牛の定義

「豊かな自然環境と水に恵まれた滋賀県内で最も長く飼育された黒毛和牛」という肥育地域の指定があります。適度な粘り、甘やかさや香りをよく感じる脂、美しく保つ細やかなサシが特徴です。また出荷される近江牛は年間わずか6,000頭に限られています。その分、牛一頭一頭に対しての生産者の思いと高い技術が良質な品質を保っています。